横振刺繍

横振り刺繍とは、針が左右に動く横振りミシンを使って図案を見ながら職人の手で直接生地に柄を起こす技法で、手振り刺繍とも呼ばれます。
横振りミシンには、通常の縫製ミシンにある布を抑える機構などがなく針が左右に動きますが、その動きの幅をペダルを踏みこむことで変えることができます。
これを上手く扱うには、長い年の経験と腕が必要です。
また、一度縫った縫い目の上にさらに刺繍を重ねることで、コンピュータ式ミシンの刺繍にはない厚みと立体感が生まれます。
この刺繍の幅と厚みが、横振り刺繍に陰影や強弱を与え、まるで絵画のような刺繍に仕上がるのです。