刺繍の歴史は古く人類が衣服を着けたときから始まっている。模様織りが行われる以前から刺繍は行われてきた。
紀元前3000年、エジプトの壁画には、すでに、刺繍が描かれている。中国マオタイ漢墓からは、高度な技術を忍ばせる幾つかの刺繍が発掘されている。
ヨーロッパ刺繍は、3世紀いわゆる僧院刺繍から始まった。中世は刺繍の黄金時代で、特に16世紀エリザベス朝には多くの名品が作られている。18世紀には、ロココ朝の時代風潮を反映して、華やかで優美な刺繍が作られた。
19世紀になり、ビクトリア刺繍の精緻さを特徴とするヨーロッパ刺繍は、僧院刺繍から特権階級、そして庶民の刺繍へと受け継がれる。
日本の刺繍修業的な刺繍から始まった。現存する日本最古の刺繍には、622年に作られた(繍仏)。中国から渡来してきた刺繍には、先人達の技の中で磨きぬかれ、日本の刺繍として独特の色彩、文様、技法を生み出した。
刺繍は各地で、民族色豊かに作られている。民族を超え、時代を超えて刺繍はその美しさを今日まで伝えてきた。
現在、刺繍は装飾の重要なアイテムとして熱い視線を浴びている。